哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1

哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1~哲学者や時代背景の簡易的な辞書としても使えそうな便利な本



今回は先日の「現代人が「表現」と捉えることを、昔の人は「模倣」「再現」と考えていた」という記事の最後で触れた本の紹介です。

「哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1」感想

アリストテレスをはじめ古代ギリシャの人々にとって神とはどのような存在だったのか、といった点を含めて当時の時代背景を知りたくなり紀伊國屋書店へ行ったところ、3Fの西洋思想のコーナーで1冊の本が目に留まりました。
哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1という本です。
分厚く、かつ真っ赤な色の装丁のため、すぐに目につきました。

※余談ですが、人間は色、形、文字の意味の順に外界を認知するそうです。

読み物風の文章で読みやすい

早速手に取りページをめくって感じたのは、読み物風の文章で読みやすそうに感じられたことです。
購入後に読み始めても、この印象は変わりませんでした。

歴史的な考察が豊富で、思想と関連付けて理解できる

また「哲学の歴史」というタイトルの本だけあって当然、歴史的な考察が豊富です。
史実は美術史の本でもまったく触れられていないこともないのですが大抵は必要最小限ですし、高校の世界史で習ってはいても、すっかり忘れてしまっています。

この歴史的な考察を求めて私は本書を購入したのですが、それは以前にカウンセリングのHPの「古代ギリシアのソフィストの貢献~相対主義的思考が2500年も前から存在していたことに驚き」にも書きましたように、人は哲学的なことや社会的な事象を考察する際にも、まるで自分自身の心と向き合っているかのように個人的な心理を色濃く滲ませる、つまりどんなに客観的に考察しているつもりでも必ずバイアスがかかっていると考えているためです。

このような哲学者の歴史に関する情報を入手することで、そうしたバイアスを考慮に入れながら各哲学者の思想を検証することができます。

哲学書を読みこなすには、多くの思想について広く浅く理解している必要がある

さらにこうした歴史書を必要としたのには、以前い紹介した『メルロ=ポンティ 触発する思想』を読んだ時の経験も影響しています。
同書は入門書を謳いながらも、ポンティ以外の無数の思想家の思想が特に説明もなく紹介されています。

このことから漫画やイラスト入りのような解説書は別として、哲学における一般的な入門書とは、大学等で哲学を専攻し、すでに多くの思想について理解しているが、その思想家についてはまだより知らない人を対象として書かれているように思えました。

ですから本書のように、ザックリとでも多くの人の思想について理解することが、哲学書を読みこなすために欠かせないと痛感しました。

プラトン、アリストテレスについては特に記述が豊富

またギリシア哲学の三賢人の中でもプラトン、アリストテレスについては特に記述が豊富で、この二人について詳しく知りたかった私には有難い話です。

哲学者や時代背景の簡易的な辞書としても使えそうな便利な本

最後に本書は〈第1巻〉とありますように、全12巻+別冊の最初の本であり、本書だけでも600ページ以上の分量がありますので、各哲学者やその生きた時代背景の簡易的な辞書としても使えそうな便利な本のように思えます。
価格も分量を考えれば高くないと思います。

内山勝利 編集『哲学の歴史〈第1巻〉哲学誕生―古代1』@通販